健康クリップ

肝炎
 
 2回にわたり、「肝炎」を特集します。
一回目はウイルス肝炎、2回目はその他の肝炎(アルコール性肝炎、薬物性肝炎など)を取り上げます。


慢性肝炎 
第二回

その他の肝炎

生活環境の改善とかかわる慢性肝炎は、アルコール性肝炎と脂肪肝の悪化により慢性肝炎に移行するものではないでしょうか。
世の中、居酒屋などが増えて全体に酒量消費があがり、同時に若年化が進むことに加えて、女子の  飲酒習慣の増加が、潜在的なリスクファクターとなりつつあるような気がします。確かにストレスの多い現代でお酒の果たす意味も多いとは思いますが、適度な生活習慣を意識する必要性を感じます。また、医薬品だけではなく、さまざまなサプリメントなどが出回っている今、服薬などによる代謝異常などを引き起こす薬剤性肝炎なども気になります。
今回は、アルコール性肝炎脂肪肝薬剤性肝炎を取り上げてみたいと思います。


アル
コール性肝障害
ある程度大量の飲酒を長期に続けると(日本酒にして5合を5年間飲み続ける)、肝臓に障害をきたします。脂肪肝や、線維症、ひどくなりますと、肝炎、肝硬変になることがあります。まれに肝癌ができることもあります。
検査値の特徴としましては、γ-GTPが高値(100以上)となります。このような状態のときは、最も大事なことは禁酒の持続です。ある程度進んだ肝障害でもお酒をやめることによって相当良くなります。

脂肪肝から肝硬変へと進む。

アルコール性脂肪肝

肝細胞内に,中性脂肪が異常に蓄積し、一つ一つの細胞が腫大して、肝臓全体が腫れて大きくなった状態です。日本酒にして五〜六合を一週間飲み続けてもおこります。

アルコール性肝炎

肝細胞が破壊され炎症をおこしている状態で、お酒をよく飲む方が,日本酒にして七合以上の大量を連日して飲むとおこります。病気としてはかなり重傷で、アルコール依存症の状態に陥っています。

アルコール性肝硬変

日本酒にして五合以上を10〜15年以上飲み続けたときに、高頻度におこります。
広範囲にわたって肝細胞が破壊され、それを修復するために、新しい肝細胞が再生されますが、一方で繊維性の組織も増えてくるために、再生されてくる肝細胞がつながらずに分断される状態です。その結果、肝細胞への血液の流れが悪くなり、様々な合併症をおこしてきます。
男性に比べると女性は、より少ない酒量と短い期間で肝硬変がおこってくることが知れられています。

 
 
 
 


薬剤
性肝障害
薬剤性肝障害は薬剤に対するアレルギーで起きることが多く、服用した薬が体質に合わないと薬が分解される過程でできる物質が抗原となり肝臓にアレルギー反応が起こって肝細胞が破壊されるのだと考えます。


脂肪

肝臓に脂肪がたまる病気ですが、これは薬剤や、お酒、栄養のとりすぎ、太りすぎ、または栄養不良等によって起きます。原因を取り除くことによって予後は極めて良好です。
肥満による脂肪肝はほとんど、慢性肝炎から肝硬変に移行することはありません。
脂肪肝の代表的原因
アルコールの飲み過ぎ(アルコール性脂肪肝)
栄養過多、肥満(標準体重の2割増しの体重)
糖尿病(高血糖、HbA1C高値)
高脂血症(総コレステロール高値、中性脂肪高値、HDLコレステロール低値)
甲状腺機能亢進症(バセドウ病)
これらは主な原因ですが、いくつかが組み合わさっていることも多く見られます。
(肥満と糖尿病と高脂血症、アルコール多飲と糖尿病、など)

脂肪肝の検査値異常
GOT、GPT高値
γ-GTP(ガンマGTP)高値
ChE(コリンエステラーゼ)高値
中性脂肪高値


非アルコール性脂肪肝炎に注意
 最近、非アルコール性脂肪肝炎(NASH)が注目されています。NASHはアルコールを殆ど飲まない肥満の方がなりやすく脂肪肝に似ていますが、脂肪肝と違って、将来肝硬変から肝不全に移行する可能性があります。

脂肪肝をまねきやすいタイプ
 よく食べ、よく飲み、そして動かない
 食事をとらずに、お酒ばかり飲む
 糖尿病
 極端なダイエットをしている

思い当たることはありませんか


肝臓の病気を簡単にまとめました。
 日本人の慢性肝臓病の8割はウイルスによるもので、アルコールによるものは2割弱である。
 慢性肝炎はウイルス(B型肝炎ウイルスやC型肝炎ウイルスなど)が原因である。
 C型肝炎ウイルスによる慢性肝炎の多くはいずれ肝硬変になる。
 C型肝炎ウイルスは普通に生活していれば同居家族でも感染はしない。
 B型慢性肝炎の初期でも肝癌が併発することはあるが、C型慢性肝炎の初期からは肝癌の合併はない。
 脂肪肝の原因は栄養過多とアルコールである。
 栄養過多による脂肪肝は肝硬変になることはないが、動脈硬化が速く、心筋梗塞や脳梗塞に注意する必要がある。
 アルコールによる脂肪肝はいずれ肝硬変になる。
 脂肪肝自体は薬物療法の必要はない。
10  脂肪肝と似た疾患に非アルコール性脂肪肝炎がある。非アルコール性脂肪肝炎はお酒を飲まない肥満の方でなりやすく、進行すると肝硬変から肝不全になる。


健康診断で肝機能異常を指摘されたときは…
健康診断で肝機能異常が指摘された人からの質問がよくあります。
肝機能異常というとGOTとGPTが正常値を超えた値(だいたい40以上)のことです。
自覚症状がなくても必ず医療機関を受診してください。
医療機関では問診・診察の後、肝機能再検査、肝炎ウイルスの検査、腹部超音波検査(エコー)などが行われます。脂肪肝が疑われる場合には糖尿病や高脂血症の検査も行われます。
肝炎ウイルスについてきちんと検索されていないと、慢性肝炎の放置となり、数年後肝硬変で発見という不幸な例もありえるのです。



前回と今回、二回にわたりまして肝炎を取り上げてみました。いかがでしたでしょうか。
少しでも皆様の健康増進のお役に立てれば幸いです。

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